|
Microsoft® Visual Basic® Scripting Edition 自然気胸 |
検査値の正常と異常の検索 病気治療目次戻り |
肺に孔が開いて,その肺が縮むという呼吸器の奇妙な自然気胸という病気が痩身長躯の若い男性に発症するという統計的データがあります。自然気胸を発症しますと,空気の流れが胸腔壁から離れてしまった肺は吸気の際の縮んだままの状態となったままですから外気を必要十分に取入れできません。また,気胸の生じた肺の中の空気が片方の健康な肺に流入してしまいます。次に,空気を吐くときは,気胸を起している肺の気圧が上がらず片側の汚れた空気が逆流します。健康人間の呼吸は横隔膜と肋骨間筋により呼吸運動をしているのです。胸腔の内壁は壁側胸膜で覆われ,壁側および臓側胸膜の間の胸膜腔には,血液から沁み出した胸水が詰まって,2枚の胸膜は胸水を介しています。肺側の胸膜でくるまった臓側胸膜に近接したブレブ・ブラと呼ばれる小さな風船状の部分が破れますと,肺の中の空気が胸膜腔にもれ出す状態を気胸といいます。その結果,肺の容積が縮み,十分に膨張と収縮したりすることが不可能になります。
自然気胸の症状は3つに分けられます。1.胸痛 2.せき 3.息切れ。自然気胸の胸痛は,胸水でこすりあっている2枚の胸膜が剥離する痛みです。その痛みは持続することがしばしばあります。その他の症状は,息苦しさや息切れです。安静にしていても息苦しさを感じます。2次大戦直後,迂生は肺浸潤の気胸療法を経験しました。これは人工的に肺を気胸状態にするものでしたがあまり痛みはありませんでした。自然気胸は両方の肺が同時に起こることはありません。よって呼吸がまったく止まることはありません。また,開いた孔が自然に塞がることも多く,自分では気づかないうちに発病し,自然に治っている場合がかなりあるようです。
自然気胸の有無はX線撮影で容易に確認できます。治療のため臓側胸膜の孔の位置をみるために,造影剤を注入したX線撮影を行うことがありますが,確定するのは困難です。前記の症状は,自然気胸だけのものではありません。肺炎や肺塞栓,狭心症や心筋梗塞,さらに帯状疱疹や肋骨の骨折などによっても生じるものですが,若い痩身長躯の男性の場合は自然気胸の原因の症状と診断される場合が多いといわれます。
自然気胸の治療には3つのものがあります。1.内科的治療 2.外科的治療 3.胸腔鏡治療の方法があります。
このうち外科的治療と胸腔鏡治療はほとんど再発しないという利点があります。内科的治療は,自然気胸が比較的軽い場合です。安静にすることで,漏れた空気が胸膜に吸収され,孔が塞がるのを待ちます。安静に努力しても胸膜腔の中の空気が吸収されない場合は,チエストチューブという管を脇腹から胸膜腔まで挿入し,空気を抜き出すドレナージ法=脱気という治療法を行います。孔が塞がれば空気を抜いて萎縮した肺が元の大きさに戻り,治癒します。外科的治療は開腹手術を行い,臓側胸膜が薄くなり孔の開いた場所=ブラを切りとったり,縫って孔を塞ぎます。この手術は普通開胸とミニ開胸の2つの方法があります。ミニ開胸の手術が患者への負荷が少ないものです。胸腔鏡治療はまずX線撮影でブラに最接近する3ケ所に直径1センチ程度の孔を開けます。その1つに胸腔鏡を差し込んで病変部を観察し,あと2ケ所の孔から電気メスや鉗子,自動縫合器などを出し入れし,ブラを切除・縫合します。この手術のバリエーションとしては,鉗子でつまみ上げたブラに電気メスのループを引っ掛けて凝固させたり,ブラが小さい場合には,レーザー光線でブラを焼いてしまうスプリット法が行われたりします。