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白内障
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病名:白内障
白内障は,眼の中のレンズ=水晶体が白濁して視力が低下してくる眼病です。水晶体は眼球内のカメラのレンズに該当する透明な組織のものです。外からの光を屈折し,自動調節により網膜に像を結ぶ働きをしていますが,この水晶体をつくっているタンパク質が変性しますと濁りが生じます。
水晶体の濁りは加齢とともにはじまるものを老人性白内障といいます。この白内症は通常50〜60歳頃に発症しますが,進行は目立ちません。しかし,10〜20年も経過しますと,視力低下は甚だしいものになります。統計的データでは,60歳で65%,85歳ではほぼ100%の年寄りが罹患する眼病です。いうなれば老化現象のひとつのようです。
白内障は成因により大別しますと,「原発性白内障」と「続発性白内障」に分けられます。原因となるエピソードもなく発症するもので,発症時期が5歳頃までのものを先天性白内障,それ以後のものを後天性白内障と呼ばれます。40歳未満では若年性白内障,40〜50歳までを初老性白内障,50歳以後で老人性白内障と呼んでいます。
老化に伴う白内障が最も多く,糖尿病による白内障や,ぶどう膜炎や緑内症の他の眼病に合併して生じる白内障が続き,この3つで白内障の90%以上占めます。
主症状
初期の白内障には特に目だった症状はありません。老人性白内障は加齢とともに除々に視力が低下してきます。遠近ともにかすみ,眼鏡をかけてもかすみが治りません。進行しますと瞳孔領=黒目の中央部が白濁して見えるようになります。初期には外から見てわかる異常はなく,充血や痛みなどありません。両眼がほぼ同時に発症し,同じ程度に進行するのが普通です。

原因による白内障は分類され,主症状はそれぞれの違いを示すのですが,上記は皮質白内障=老人性白内障の症状と思われるものを簡略にしたものです。特に,老化してきた私の片目の白内障進行中の症状を中心にまとめました。

診断
白内障における視力障害は,水晶体に生じる混濁の大きさや濃度のみでなく,混濁がある水晶体の部位や瞳孔の大きさによっても影響されます。混濁が水晶体の中央部にあって瞳孔領を遮蔽する部位にあると,視力障害を起しやすい,逆に瞳孔領を外れた水晶体周辺部にかなりの混濁があっても,中央部に混濁がなく透明性性を保っていればあまり視力を障害しません。通常の老人性白内障では,混濁がまず水晶体周辺部より認められるようになり,中央部が混濁するのはかなり進行してからなので,初期には視力障害を自覚しないことが多いのです。瞳孔が縮小している時には水晶体混濁でさえぎられやすく視力は低下しますが,逆に,瞳孔が開いている時には視力低下が改善される傾向があります。そのため暗い夕方より明るい昼間の方が,まぶしく,かえって見にくいという訴えがあります。これを昼盲と呼ばれたりします。
白内障患者では,瞳孔を拡大しておくために,サングラスを用いて遮光したり,時には散瞳薬を用いている場合もあります。
乳幼児に発症する先天性白内障でも,まぶしかったり,見えにくいために乳幼児が拳で眼をこするしぐさから母親が異常に気づき,受診して白内障が発見されることがあります。
水晶体の白濁が進むと,外からでも瞳の中が白く見えるようになります。これはかなり進行した時期です。進行した白内障は,稀に水晶体の水代謝が障害され水膨れします。こうなると,眼内循環の房水の流通路を塞いで眼圧上昇となり,視神経障害の回復不能の緑内症の視力低下となります。白内障検査では視力検査をはじめとして,水晶体混濁を観察する細隙灯生体顕微鏡検査をします。水晶体の検査のしやすいために眼薬による散瞳で瞳孔を拡大します。光で眼底を照射し,眼底からの反射光で水晶体混濁観察=微照法により,明るく証明された瞳孔領に黒い影=微照像=混濁部が浮上します。散瞳しますと,4〜5時間は眼がかすみ,眩しかったりしますから車の運転は避けることです。
治療
白内障治療薬には,点眼薬と全身投与剤があります。
いずれも白内障の進行を遅らせるものです。点眼薬として,カタリン=フェノキサジン(千寿製薬),グルタチオン=グルタミン酸・システイン・グリシンよりなるトリベプタイド(ノイチオン点眼薬=千寿,タチオン点眼薬=山之内,グルタチオン点眼薬=日限),5,12−ジヒドロアザベンタセンジスルホン酸ナトリウム=ファコリジン点丸薬(ゼリア)があります。
全身投与剤としては,水晶体タンパクのSH基を保護する目的のSH化合物の内服剤=チオラ錠(参天),ウシの耳下腺より抽出されたタンパク質で老化防止作用のある内服剤=バロチン錠(帝国臓器),漢方薬として,牛車腎気丸,八味地黄丸などがあのます。その他,ビタミンC,ヨードカリなどが古くからあります。
初期白内障では,混濁による眼内の光散乱の「まぶしさ」対策として遮蔽眼鏡を使用します。
治療中に白内障がかなり進行して,手術に踏み切れば薬物療法は中止します。

白内障手術の適応となりますと,次の手術・眼内レンズの,いずれかの術式が行われます。
@超音波による水晶体乳化吸引術(PEA)=角膜(くろめ)と強膜(しろめ)の境界部に長さ3mmの切開を加え,ここから超短波で振動するチタン金属棒(顕微鏡下のマイクロサージャリーと超音波ペンシル)を挿入して水晶体中心部の硬い部分(核)を超短波振動で破砕して眼外へ吸引除去する手術です。若い年齢の方は硬い核がないので,発振なしで吸引されます。切開創の小さい手術なので,術後の角膜乱視形成が比較的少ない利点があります。
A水晶体嚢外手術(ECCE)=切開部位は上の術式とほぼ同じですが,長さ約11mmほどの切開創から核を娩出しますので,核の硬さと無関係に行える手術です。術後に生じる角膜乱視の点では前者より若干不利ですが,すべての核のある白内障の手術に適応できます。
B眼内レンズ(IOL)(人工水晶体)=水晶体を欠いた人間の眼は高度遠視となります。このままでは遠方に対する視力は0.1にも及びません。そこで白内障の手術では,同時に(ときには後に)さまざまな屈折力をもつレンズを眼内に挿入します。一般的には,直径約6.5mm前後のメタアクリル樹脂やシリコン製のレンズを,きれいに残した水晶体嚢の内に埋め込み,軽度の近視眼になるように計画的な手術を行います。この術式は歴史的背景や使用経験もまだ短いので,小児の眼や網膜剥離・ブドウ膜炎など,さまざまな合併症を有する成人病への挿入は禁忌とされています。
Cコンタクトレンズ・眼鏡=眼内レンズ挿入の適応にならい白内障術後に対して従来からの方法の良好な視力獲得が行われます。


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